指導方針

主体性の確立

 胡子塾は、生徒の「主体性」を育てることを目指して中学生・高校生の指導を行っています。受験を乗り越えるには、我々が質の良い指導を行うことは言うまでもありませんが、一人一人の受験生が膨大な勉強量をこなすことも不可欠です。それには強制された学習では自ずと限界があり、生徒が自らの意志で前向きに学習に取り組んで初めて爆発的な力も生まれます。これが、難関を突破した多くの塾生達の共通点なのです。

有名校に受かるだけでは駄目

 昨今の不透明な社会状況では、偏差値の高い大学に入っておけば、その後の社会的安定が得られるという保証は揺らいでいます。それなのに、中・高生はことあるごとに志望校や将来の職業の決定を急(せ)かされます。そのため、明確な志望理由もないまま、一部の有名校や職業に人気が集中したり、中学・高校時代に進路を真剣に考える余裕がなかった結果、高学歴層でもフリーターが増加したりと、問題は根深いものになっています。

 今こそ必要なのは、一人一人が正しい情報処理能力を持った上で、じっくり自分でものを考える姿勢と、自分の生き方を自ら切り開いていく活力を、中学生・高校生の間に養っておくことではないでしょうか。私達は親身な受験指導を通じてこうした受験生を全力で支えています。

受験は好機

 やるべきことをきちんとこなす学習習慣を早い段階で身に着けることができれば受験を乗り越えることはさほど困難なことではありません。思春期特有の悩みや将来への不安は、誰もが一度は持つものです。その時に時間を浪費するか、有効な人生思索とできるかは、周囲の環境で大きく違ってきます。私達が中1からの指導を重視するのはこのためです。私達は学習習慣の養成には力を入れますが、決してただ学習を強制するのではなく、むしろ受験を契機に将来を考え、各自の適性や資質を冷静に見つめる時間を持つよう促す指導を心がけています。こうして、受験を乗り越え、社会に巣立って行く生徒たちの姿は、私達にとっても大きな喜びであり、勇気と力を与えてくれています。

 私自身塾の仕事を始めて四十年になりますが、自分の二人の子供も中学までは区立に通わせ、学芸大附属高校から東京大学に、筑波大附属高校から東京外国語大学にそれぞれ現役で合格させることができました。親としてしたことと言えば、塾に通わせたことと受験料を出したことぐらいで、私も妻も受験に関しては本人と塾任せで全くノータッチでした。私は二十年来の付き合いがある現スタッフには絶大の信頼を置いていますから、塾選びに手間をかける必要がなかったのは親として幸運なことでした。

 親から精神的に独立していこうとする時期に、親以外に信頼の置ける大人の指導者を得ることは、子供の人格形成において極めて重要な要素となります。学校がその機能を低下させてしまった今、私達は、受験を通じて生徒達と接し、自己研鑽の意義を共に考えながら、受験指導をするこの仕事に情熱と誇りを持っています。

 以上の趣旨で堅実な指導を行う以上、現スタッフとこの規模での指導がベストと考えておりますので、定員に達した場合は講座によってはお断りすることがあるかと思いますが、その節はご容赦願います。

 塾長 胡子(えびす)俊英